膨大なデータを前に何か役に立つ情報はないかと眺めて時間が過ぎてしまうことはありませんか?
今回はリスティング広告の運用者に向けて、膨大な検索クエリを視覚化することによって、10分で分析してリスティング広告運用に役立てる方法を解説します。
1.テキストマイニングをして単語を視覚化する
皆さんはテキストマイニングという言葉を聞いたことがありますか?
テキストマイニングとは、簡単に言えばデータから単語の出現頻度や相関関係(つながりの強さ)を導く分析手法です。
やり方は簡単です。まずはGoogle広告やYSSから検索クエリをダウンロードして、無料のサイトにコピー&ペーストをするだけです。
例えば、以下のサイトがあります。
https://textmining.userlocal.jp

水色のフォームの中にコピー&ペーストをして、「テキストマイニングする」をクリックするだけです。
実際に例を見てみましょう。
これは弊社で運用しているある飲食店求人サービスのアカウント全体の検索クエリを、先ほどのサイトでテキストマイニングした画像です。

このサイトでは、より頻出の単語ほど大きく表示され、動詞が赤色、形容詞が緑色、名詞が青色で表されます。
さて、ここでは「アカウント全体」の検索クエリが表示されています。
ではここからわかることは何でしょうか。
私は、「アカウント全体」の検索クエリからは、「除外キーワードの発見」をお勧めします。
まずこの画像から「怪しい単語」を探します。怪しい単語とはコンバージョンに結びつかないであろう単語です。
今回は「払い」を調べてみます。
実際にどのようなワードで検索しているかを調べるために、一度Excelに戻り、Ctrl+Fを押して検索ボックスを出して入力しましょう。

調べてみたところ、日払いや週払いの求人を調べているユーザということがわかります。
今回はそのような案件は扱っていないので除外することにしました。
このように
1データをテキストマイニングする
2怪しい単語を見つける
3元データをCtrl+Fで検索して、検索クエリを見つける
この3ステップで膨大な検索クエリから除外すべきワードを効率よく発見することができます。
2.検索クエリを分割して視覚化する
さて、1ではアカウント全体の検索クエリを視覚化して分析することで除外キーワードの発見を行いました。
次にこの応用として、検索クエリを分割して視覚化する手法を紹介したいと思います。
分割して視覚化とは、検索クエリを年齢、性別、CVの有無、デバイスなどで分けてテキストマイニングする手法です。
(YSSでは年齢・性別では検索クエリを分けることはできないのでこの方法は使えません。)
まずは端末別の検索クエリの取得方法をGoogle広告の画面で確認します。

このように、列にデバイス、表示回数を置いてダウンロードすることで端末別の検索クエリを得ることができます。

ダウンロードしたファイルを開いて、赤枠のところをドラッグした状態で「Ctrl+Shift+l」
を押します。
こうすると列にフィルタをかけることができるので、入手したい語句の端末をクリックして表示回数0回のチェックを外します。
残った検索語句を先ほどのサイトにコピー&ペーストをして端末別に見てみましょう。
さて、ここでは例として先ほどの飲食求人サービスをデバイス別に見てみましょう
(PCの検索語句)

(モバイルの検索語句)

モバイルの検索語句の方は散らばりがかなり大きいです。
ここから分かる事として、モバイルの検索クエリでは、「現状不満」に対するワードが多いことがあります。
転職に関して、現状への不満とは転職への意欲の表れともいえます。
したがってモバイル用の広告に対し、「現状不満に対応する広告文」を作ることでクリック率が上がることが予想されます。
他にも、男女で分けて分析すると性別によるニーズの違いが出ることもあります。
このような場合にはより商品の魅力とニーズが一致している方の入札率を引き上げるという施策が考えられます。
まとめ:膨大なデータとは正面から戦わない
今回は、テキストマイニングを利用して効率よくデータを分析する手法を紹介しました。
このように膨大なデータを扱う際はやみくもに眺めるのではなく、ツールを駆使して仮説を立てながら検証していくことが大事だといえます。
特に検索クエリはユーザのニーズが詰まっている大事なデータなのである程度データがたまったら一番に確認しましょう。