あなたは、『影響力の武器』という本を読んだことがありますか?
そうです、青くて分厚い辞書のような、あの本です。笑
世界中で売れ続けているベストセラーの本なので、読んだことはなくても、本屋さんや図書館で見たことはある、という方も多いかもしれません。
本の中で、著者であるロバート・B・チャルディー氏は、『人間には、どうしても抗えない6つの心理トリガーがある』と述べています。
心理トリガーとは、頭では分かっていても、どうしても心が動かされてしまうスイッチのこと。
この本、読むのはとっても大変なんですが、長年売れ続けている名著なだけあって、中に書かれている心理は日ごろから私たちに対して無意識のうちに作用してしまっているものが多く、とても勉強になるんです!
例えば、友人や恋人から何かモノを貰った時、「何かお返しをしなきゃ!」と思いますよね。この心理は「返報性の原理」と言います。
この原理の恐ろしい部分は「たとえそれが自分の欲しいものでなくとも心理トリガーが引かれてしまう」ということなんですが・・・、長くなるので詳しくは本文で書いていきますね!笑
この記事では広告運用をされている方向けに、『影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか』にある6つの心理トリガーを基にした広告戦略について述べていきます。
人間が抗えない6つの心理トリガーとは?
1.返報性

まずは返報性の原理について。返報性とは“貰ったものは返さないといけない!“と思ってしまう心理のことです。
例えばスーパーの試食なんかがそう。
この原理の恐ろしいことは、あまり好きでない相手や自分の欲しいプレゼントでなかったとしても、心理のトリガーが引かれてしまう、という点です。
広告でこの原理を用いている戦略には、“無料メルマガに登録すると貰える有料級のプレゼント“があります。
たまにありますよね、こんな凄いものタダで貰っちゃっていいの!?ってやつ。
それが大丈夫なんですよ。
あなただけでなく皆がそう思っているため、その後の購買段階での販売率が上がることで最初のプレゼントの分も余裕でカバーできてしまう、という訳です。
2.コミットメントと一貫性

次はコミットメントと一貫性ですね。これは“一度宣言したらもう止まることが出来ない”という心理のことです。
この心理は、ワンルームマンション投資を勧める不動産投資や中古自動車販売、多くの商品における顧客のリピーター化などに使われています。
人間には、過去の自分の言動と今の自分の言動を一致させようとする習性があります。
例えばあなたが新しい腕時計を買って初めて職場や学校に着けていった日に、同僚や友達にそれについての感想を言われたとしましょう。
その時、あなたはどうするでしょうか。
きっとその時計の良さを語ってしまうことでしょう。作りのこだわりや値段、機能に至るまで。
そしてその時うまく話せなかったとしたら、その後ネットでその腕時計の良いところやブランドの歴史についてまで調べるかもしれません。
そうなったらもうあなたは完全にそのブランドの虜(とりこ)です。ブランドからすれば良いリピーターということになりますね。
これを悪用した例としては、ワンルームマンション投資を勧める不動産投資や中古自動車販売などがあります。(あ、もちろん全ての業者さんがそうと言っている訳ではありませんよ!)
これらの販売の際には最初にメリットだけを伝え、顧客が買うと決めたり契約書にサインをしてからデメリットを伝える、といった手法をとっている業者も多いです。
ぜひとも気を付けてください。
これを広告に生かすとすれば、最初から定期購入してもらう、口コミを書くように促す、といった戦略があげられます。
3.権威

次に権威。権威とは、“1つ凄いところがあると、その人が何でも凄いように見えてしまう”という心理のことです。
例えば有料noteや情報商材の販売なんかがそうですね。これらの販売者は、稼いでいる、もしくは他の何らかの分野で成功を収めている、といった形で人をブランディングすることで、商品を売っています。
そしてその権威を信じた顧客は、中身が分からない「情報」という商品に何万円、何十万円といった大金を出してしまうという訳です。
これを広告に生かすとすれば、「○○監修!」「芸能人の○○も愛用!」といった肩書や実績による差別化は、積極的に図っていくべきだと言えるでしょう。
4.社会的証明

残り3つは比較的有名だったり、日ごろからあなたも無意識のうちに使いがちなものだったりします。
まずは社会的証明ですね。これは一言でいうと、“行列が出来ているお店の料理はおいしそうに見える”という心理のことです。
結局のところ、人間は周りの人が何をしているかを見て自分の行動を決定しています。
今は変わってきている、といっても、多くの人が未だに子供のころは学校に行き、受験を経て大学に進学し、就活をして企業に入り、定年まで勤めあげるのも同じこと。
“人と同じことをしている、自分がスタンダードだ”と思えることは、多くの人にとって安心を感じるための重要なポイントなのです。
この心理を用いた広告戦略としては、口コミを多く掲載したランディングページや、「販売数○○個突破!」といった広告文などが当てはまります。
5.好意

次は好意ですね。好意とは“好きな人の意見であれば、少しくらい変愛な意見であってもつい同意してしまう”という心理のことです。
あなたは「3Bの法則」というのをご存知でしょうか?
これは広告表現の中で、美人(Beauty)、赤ちゃん(Baby)、動物(Beast)を使うと目を引きやすく、好感を持たれやすいという法則のことです。
これは従来、テレビCMや雑誌、新聞広告等の広告でも多く用いられてきましたが、Web広告でも効果が良いとされています。
まさに、好意の心理を活かしたものですよね。
6.希少性

最後に希少性。これは“残り○つ!”などの限定品や数の少ないレアな品に人間は弱い、という心理です。
あなたは高級ブランド―例えばVuittonのバックやROLEXの時計といった値段の高い商品がなぜ売れるのか不思議に思ったことはありませんか?
もちろんブランドごとの企業努力あるのでしょうが、それらのブランドはすべて、価格を高くすることで希少性を演出しているんです。
この他にも、「○○個限定販売!」「申し込み可能なのはあと〇日だけ!」といった個数や期間による限定も広告では多く用いられています。
まとめ
このように私たちには、分かっていてもどうしても抗うことのできない6つの心理トリガーがあり、これを意識して利用すれば、広告の効果も上げることが出来ます。
作った広告が偶然この心理に当てはまっているのと、この心理を意識して使うのとでは結果が同じであっても成長の面で大きな差があるのは言うまでもありません。
良かったらあなたも、広告を作る際にはこの6つの心理トリガーを意識してみてくださいね!