あなたは、お客様の共感を生むストーリーの作り方に悩んでいませんか?
そして、見込み客がストーリーに共感し、熱狂的なファンとなってくれるような方法があったとしたら、ぜひ知りたくないですか?
そんなあなたに是非知っていただきたいのが、「神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)」という理論です。
神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)とは、ハリウッド映画業界に大きな影響を及ぼした理論で、世界的に有名な映画監督であるスティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスといった映画監督のヒット作もこの理論を参考にしたと言われています。
このフレームワークを用いれば、あなた自身やあなたの会社、あなたがプロデュースする商品のストーリーを魅力的にし、お客様に共感してもらうことが出来ます。
またコピーライティングの上でも、このフレームワークを用いたストーリーライティングの知識は必須と言えるでしょう。
この記事では、そんな”神話の法則”を用いた広告作成について解説していきます。
物語の基本は「行って帰ってくること」

『神話の法則』には、”物語の基本は「行って帰ってくること」”だと書かれています。
人が興味を持つ多くの物語には「人間が成長を遂げていく過程」といった共通する部分が多く、人間の成長には、身体的な成長だけでなく、内面的な変化が伴います。
そして人間の内面的な変化は、異なる環境に身を置くことから始まります。
例えば漫画「ワンピース」を例に出して考えてみましょう。
作中で主人公ルフィは生まれ育ったココヤシ村を出て旅に出ます。
この段階で、日常の世界から非日常の世界へと飛び込んでいますね。
また作中では、一度出会った敵としばらくしてまた出会う、という場面を時々入れることで、主人公の成長を、読者が実感できるようにしています。
日常の世界を離れる→非日常の世界で試練を乗り越えることで内面的な成長を遂げる→また日常に戻ってくることでその成長を認識する。
これが大ヒットする物語の多くに共通する特徴だと言えるでしょう。
物語の構成要素
物語は大きく3つの場面に分けることができ、さらに細かくすると、12個の要素に分割することが出来ます。
1.「日常から非日常へ」

①日常の世界
②冒険への誘い
③冒険の拒絶
④賢者との出会い
⑤第一関門突破
まず物語は日常から非日常への移動から始まります。
先ほどのワンピースの例でいうと、まず物語はルフィが「ココヤシ村」という、ゲームで言うところの「始まりの町」にいるところから旅立ちます。
これは①の日常の世界ですね。
そして彼はシャンクスに誘われて、海賊になることを夢見るようになります。
しかし、山賊に簡単に頭を下げるシャンクスを見て一旦は海賊になることを拒絶するように。
しかしそのさらにあと、山賊に襲われて海王類(巨大で獰猛な海に住むバケモノ)に食べられそうになった自分を、片腕を失いながらも守ってくれたシャンクスに再び尊敬と憧れを持ち、再び海賊になって冒険に出ようと思うようになります。
これらの場面は、先ほどの②冒険への誘い、③冒険の拒絶、④賢者との出会いにそれぞれ相当しますね。
ルフィにとっての賢者はシャンクスだった訳です。
そして10年が経った旅立ちの日。彼の前にはかつて襲ってきた海王類が。
その海王類をルフィは1撃のパンチで倒します。このシーンは物語の本当の意味での始まりを告げるとともに、ルフィの10年の修行の成果が分かる場面であり、⑤の第一関門突破に相当します。
2.「非日常の世界での試練」

⑥試練・仲間・敵対者
⑦最も危険な場所への接近
⑧最大の試練
⑨報酬
次に、主人公には非日常の世界での試練が訪れます。
この⑥試練・仲間・敵対者が物語の1番のボリュームゾーンになります。そしてこの間に幾多の試練を乗り越え、仲間を増やし、敵を倒して成長していきます。そして⑦最も危険な場所への接近へと向かっていくのです。
ここでは「千と千尋の神隠し」を例に考えてみましょう。
千にとっての⑦最も危険な場所への接近、⑧最大の試練は銭婆(ぜにーば)のもとに向かっていくときでしょう。
そしてそれを無事に乗り越えた千は、列車に乗って湯婆婆(ゆばーば)のもとにハクを助けに行きます。千にとっての⑨報酬はハクだった、ということですね。
3.「非日常から日常へ」

⑩帰路
⑪復活(再生)
⑫宝を持っての帰還
そしていよいよクライマックスです。
主人公は帰路につきますが、ここで不意の攻撃を食らい、多くは瀕死の重傷を負うか、一度死に、そこから奇跡の再生を遂げて復活します。
そしていよいよ最後に宝をもって日常に帰還、またこのタイミングで冒険の日々による成長を感じる、という訳ですね。
千と千尋の神隠しで考えてみると、ハクを連れて帰ってきた千が、最後に十数匹のブタの中から両親を見つけるよう湯婆(ゆばーば)に言われるシーンが⑩、⑪に当たります。
ここで千は見事にこの中に両親はいないことを言い当て、両親という名の宝をもって日常の世界に帰還していきます。
神話の法則を広告作成に活かすには

では、このフレームワークを意識して広告を作る場合、どのように活かしていけば良いのでしょうか。
広告文でこのフレームワークを使うことは難しいため、ここではプレランディングページ(クッションページ)での活用法について考えてみましょう。
まず“物語の基本は「行って帰ってくること」”というルールに則り、
日常→非日常→日常
という大枠の構成で考えます。
例えばスキンケアトライアルセットについてのプロモーションをする場合、こんな物語が想像できます。
その女性は長年肌トラブルに悩んでいました(日常)
↓
そんなときにファッション雑誌を通じてあるスキンケアトライアルセットに出会います。(非日常)
↓
そんなものでこの悩みが改善する訳ない・・・と始めは疑うものの、Instagramでフォローしている有名人がそれについての投稿をしていたのも目にし、再びそのスキンケアに興味を持つように。
↓
悩んだ末に購入し、説明の通り、試しに1か月使ってみました。
↓
するとどうでしょう。家族や久しぶりに会った友人までもが、「肌がきれいになったね!」「肌ケア何してるの?」と次々に褒めてくれたのです。(再び日常)
いかがでしょうか。この商品は他の商品に比べてこの成分が多く含まれており・・・、といきなり説明されるより、このストーリーを見てからの方がワクワクその説明を聞けると思いませんか?
まとめ
このように、神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)を用いたストーリーライティングには、あなたがプロデュースする会社や商品のストーリーを魅力的にし、お客様に共感してもらう力があります。
ぜひあなたもこのフレームワークを意識して、文章作成をしてみてくださいね!